エアコン工事で独立するにあたり、どんな資格や免許・登録が必要なのでしょうか?
基本的なエアコン取付工事には、免許は必要ありませんが
ほとんどの工事で電気工事が絡んでくるので電気工事士免許は必須となります!
そして、エアコン工事に電気工事登録業は必要なのか?
最後まで、熟読して勉強してくださいね!
お得な情報が得られるかもですよ!
1.電気工事士
「第二種電気工事士」この資格は、絶対に一番最初に取得しましょう。
電気工事士の資格が無いと、エアコン工事で独立したい場合、家電量販店などの協力業者になることができないからです。
その後、電気工事業の登録をしたい場合も、電気工事士として通算、3年以上の実務経験が必要ですので、とにかく早く取得しましょう。
電気工事士の資格は、
「第一種電気工事士」
「第二種電気工事士」
の2種類
それぞれ特徴は簡単に、次のようになります。
種類 | 特徴 |
---|---|
第一種電気工事士 | 第二種の範囲と最大電力500kW未満の工場・ビルなどの工事に従事できる(高圧)自家用電気工作物 |
第二種電気工事士 | 一般の住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事に従事できる(低圧)一般用電気工作物 |
※以前は、電工1種の免許取得には、電工2種を取得してから5年以上の実務経験が必要でしたが、現在は3年となっています。
エアコン工事で独立を考えている方は、電工2種があればOKです!
1-1. 試験日程・受験料
第二種電気工事士の試験は上期・下期の年2回受験可能です。
申し込み期間もありますので、早めに申し込みましょう!
受験手数料:9,300円
※ネット申し込みが300円だけ、お得です。
電気技術者試験センター試験日程をご覧ください。
電気工事士(実技)の試験ですが、これまであった重大な欠陥(重大欠陥)と軽微な欠陥(軽欠陥)という欠陥の区別がなくなり
すべて「欠陥」という一括りになってしまったので、欠陥が1つでもあると不合格になるので注意しましょう!
とにかく、まずは電工二種の資格取得!
独学でやるもいいですが、お金を払った方が追い込めて、やる気出ますよ(笑)
特に、実技はなめると落ちます…
その他、必要になってくる、資格免許はエアコン工事 独立に必要な【免許・資格・許可登録】を参考にしてね!
2. 登録電気工事業者
よく、質問に多いのがエアコン工事で独立するのに電気工事登録業が必要なのか?
結論を言ってしまえば、必要になってきます!
経済産業省でもよくある質問なのでリンク貼っておきます。
2-1. 登録に必要な条件
営業所ごとに主任電気工事士の設置
電気工事業の登録を受けるには、営業所ごとに
事業主もしくは従業員の中から
「主任電気工事士」を専任する必要があります。
主任電気工事士とは
・第一種電気工事士免状の交付を受けている者
・第二種電気工事士免状の交付を受けた後、登録電気工事業者、またはみなし登録電気工事業者のもとで3年以上一般用電気工事に従事した者
ひとりで電気工事業を始めるのであれば
自分が主任電気工事士になるか
上記いずれかの要件に当てはまる方を従業員として雇い
その方を主任電気工事士として専任しなければなりません。
「自分ひとりで開業したい」という場合は
登録電気工事業者またはみなし登録電気工事業者のもとで3年間経験を積み、実務経験証明書を届け出ることで
登録手続きを進めることができます。
ほとんどの方はひとりで独立したいと思うので、自分が主任電気工事士になればOKです!
登録の有効期限は5年とし、その有効期間の満了後引き続き電気工事業を営もうとする方は更新登録を受けなければなりません。
営業所ごとに電気工事に必要となる器具類の備付
① 一般用電気工作物(電工二種)
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 回路計
※第二種電気工事士(一般用電気工作物)で登録する場合は、必要器具が少なく、金額もしれています。
② 自家用電気工作物(電工一種)
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 回路計
- 高圧検電器
- 低圧検電器
- 継電器試験装置(※1)
- 絶縁耐力試験装置(※2)
※第一種電気工事士(自家用電気工作物)で登録する場合は、必要器具が多く、金額もかかります。
継電器試験装置(※1)及び絶縁耐力試験装置(※2)については、借用可
その場合は、電気工事業者カードの該当欄に借用先を記入。
2-2. 電気工事業の区分
電気工事業の区分は4つ
- 登録電気工事業者
一般用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得していない - みなし登録電気工事業者
一般用電気工作物および自家用電気工作物にかかわる電気工事を施工する事業者
※建設業許可を取得している - 通知電気工事業者
自家用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得していない - みなし通知電気工事業者
自家用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得している
ポイント
大きな事業(1件の請負金額が500万以上の工事)をしないのであれば、建設業許可もいりません。
よって、多くの方が「登録電気工事業者」の取得となります。
経済産業省の電気工事業法の申請・届出等の手引き
電気工事業を営む者の手続きの方法を参考にするとわかりやすいです!
2-3. 電気工事 実務経験の証明
前職は電気屋でもないし、未経験からどうやって電気工事の実務経験を証明してもらえるの?
そう、実はそこが実際に、電気工事業の登録をするのが難しいところなんです。
会社員として、電気工事登録している会社で3年以上(免許取得後)働いていれば、そこの会社の代表者から実務経験証明書を書いてもらえればOK
しかし、まったく違う、職業から独立したくて電気工事士の免許を取得した人は、実務経験を証明してくれる人がいません。
また、どこかの電気工事会社などに就職(正社員)したくない!って人には、独立しながら実務経験を証明していくやり方を教えます!
未経験から、電気工事業の登録をするには、電気工事登録している会社や業者のいずれか2者から実務経験の証明をもらわないといけません!
この「2者」からが、けっこう厄介です…
じゃあどうやって経験を積んでいくのか?
まず、第二種電気工事士の免許を取得して、家電量販店などの下請け協力業者として、元請けの下(二次請け)で工事を請け負います。
※電気工事士の免許が無いと下請けになれません。
こうすることで、元請け(一次請けの会社)は電気工事業の登録業者ですので、3年以上はお世話になります。
3年以上経てば、元請けから、実務経験証明書を取得できます。
これで、1者目の元請けさんからの証明取得
だから、とにかく免許取得後に最低、3年間は頑張って経験を積むこと!
小さい元請けだと、登録業が未取得のところもあるので気を付けて…
1者目の証明書が取得できたら、2者目をどこかの会社(電気工事登録している)や、業者さん(電気工事登録している)から取得すれば、晴れて電気工事登録業者の登録ができます!
これで、自信をもって電気工事業者としてお仕事を頑張っていけばいいです!
いろんな元請けや、各方面の企業に営業して規模を拡大していくことが可能となります!
現代は、営業ツールもたくさんあるので、SNSで発信していれば必ず見てくれる人が現れます。
そこから大きなビジネスとなることも珍しくない時代です。
2-4. 登録電気工事業 無登録の現実
実際、家電量販店や引っ越し業者などでエアコン工事を請け負っている業者さんは、ほとんどの方が電気工事業の登録をしていないのが現状です…
なぜか?
ほとんどの業者さんが未経験から独立をしているので、実務経験を証明してもらえるところが無いからです。
かなり昔では、電気工事の免許すら無く、平然と工事が行われていたほどです…
しかし、現在ではどうでしょう?
電気工事士免許は必須
当然と言えば当然です。
電気工事 ”電気” は目に見えないので、いい加減な施工では生死を分けるほどの危険を伴う
しっかりとした知識・経験・技術が要求されるお仕事です。
この基準を設けるための
”実務経験”
”電気工事登録”
となるわけです。
2-5. 電気工事登録業 今後の動向
今後の動向としては、ますますコンプライアンスなど厳しくなっていくので、電気工事登録も必須となります!
簡単に言えば、ちゃんとしている業者しか生き残れないということです。
注目ニュース
最近の大きなニュースとして「パナソニックホールディングス(HD)法令違反に当たるエアコンやテレビ用アンテナの無資格工事が2012~22年度に2万2821件あったと発表」など
各方面でも大きく取り上げられています。
当たり前ですが、”時代は変化”します。
「昔は良かったから」「グレーだったから」は通用しません!
「エアコン工事で独立すれば儲かる」と聞いて参入してくる方が増えてきましたが
間違った情報を発信している方もみえます…ので安易に考えて行動してはいけません。
情報リテラシーを高める努力も必要です。
当然、駆け出しの為、電工免許は持っていても電気工事登録業までは取得していない人がほとんど…
だから、何事も早く行動に移し、早く先手をうつべきです。
時代は待ってくれません!
未取得では仕事が取れない時代が来てしまいます…
今までは、月に何百万も稼げていて安心していたかもしれませんが、今後は電気工事がからまない単価の安い仕事ばかり回ってくるか
最悪、お仕事が回ってこなくなる時代が来ます…
資格・登録を必要としない仕事は参入しやすく、いずれ飽和します。
だからこそ、参入障壁となる電気工事登録業の取得を急ぐべきです。
都道府県によっては、同業他社からの実務経験証明が認められないところもありますので、まだ認められているところにお住いの方は、急いで取得しておくべきです!
先行者優位に立ちましょう!
無登録での電気工事の請負は、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」違反により1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる場合がありますので注意が必要です。
お問い合わせ
電工免許を取得してから、3年以上経過したが、電気工事の実務経験証明書の取得にお困りの方は
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