エアコン工事で独立するにあたり、どんな資格や免許を取得していかなくてはいけないのでしょうか?
ここでは、独立に必須の資格から
今後、取得しておくべきものを紹介していきます。
すべてを話すと膨大な量になって、逆に分かりにくいと思うので、簡単にまとめていきます。
現代は、細かな詳細については、専門機関のサイトで調べればすぐにわかりますからね。
1. 電気工事士
「第二種電気工事士」この資格は、絶対に一番最初に取得しましょう。
なぜなら、電気工事士の資格が無いと、エアコン工事で独立したい場合、家電量販店などの協力業者になることができないからです。
その後、電気工事業の登録をしたい場合も、電気工事士として3年以上の実務経験が必要ですので、とにかく早く取得しましょう。
電工二種は、受講料だけで更新無しの永久国家資格なので取得しておいて損はない資格です!
ポイント
ちょっと余談ですが、個人事業主で独立するうえで、国民健康保険に加入することになりますが、建設業の健康保険組合に加入したほうがメリットがあります。
まず、申請すれば、電工二種であれば、資格取得祝金といって組合から40歳以下であれば15,000円、41歳以上であれば6,000円支給されます!
意外と組合員でも申請忘れてる人がいると思いますが、かなり手厚い制度です。
40歳以下の人であれば、受講料以上の金額になってしまいます!
さらに、月額保険料なので、所得が多い人は、かなりお得です。しかも、法人成り後も引き継げる!
この法人成り後も引き継げる事が一番のメリット!!
マジで安い!!
健康保険の話はまたどこかで・・・
本題に戻りますが、
電気工事士の資格は、
「第一種電気工事士」
「第二種電気工事士」
の2種類があります。
それぞれ特徴は簡単に、次のようになります。
種類 | 特徴 |
---|---|
第一種電気工事士 | 第二種の範囲と最大電力500kW未満の工場・ビルなどの工事に従事できる(高圧)自家用電気工作物 |
第二種電気工事士 | 一般の住宅や店舗などの600V以下で受電する設備の工事に従事できる(低圧)一般用電気工作物 |
その他に「認定電気工事従事者」という資格があります。
認定電気工事従事者の認定証の交付を受けると、最大電力500kW未満の需要設備(「自家用電気工作物」という)のうち、
電圧600V以下で使用する電気工作物の工事(電線路に係るものを除く)
簡易電気工事に従事することができます。
認定を受けることによって業務の幅が広がるため、特に第二種電気工事士の方は申請を検討してみることをおすすめします。
詳しくは、電気工事技術講習センターホームページをご覧ください。
1-1. 試験日程・受験料
第二種電気工事士の試験は上期・下期の年2回受験可能です。
申し込み期間もありますので、早めに申し込みましょう!
受験手数料:9,300円
※ネット申し込みが300円だけ、お得です。
電気技術者試験センター試験日程をご覧ください。
第二種電気工事士の試験は、合格率60~70%です。
まじめに勉強すれば比較的、受かりやすい資格です。
実技は欠格要件が昔より厳しくなったので確実に覚えましょう!
電気工事士(実技)の試験ですが、これまであった重大な欠陥(重大欠陥)と軽微な欠陥(軽欠陥)という欠陥の区別がなくなり
すべて「欠陥」という一括りになってしまったので、欠陥が1つでもあると不合格になるので注意しましょう!
とにかくまずは、電工二種の資格取得!
独学でやるもいいですが、お金を払った方が追い込めて、やる気出ますよ(笑)
特に、実技はなめると落ちます…
2. 登録電気工事業者
2-1. 登録に必要な条件
営業所ごとに主任電気工事士の設置
電気工事業の登録を受けるには、営業所ごとに事業主もしくは従業員の中から「主任電気工事士」を専任する必要があります。
主任電気工事士とは、次のいずれかの要件に当てはまる者
- 第一種電気工事士免状の交付を受けている者
- 第二種電気工事士免状の交付を受けた後、登録電気工事業者、またはみなし登録電気工事業者のもとで3年以上一般用電気工事に従事した者
一人で電気工事業を始めるのであれば、
ご自身が主任電気工事士になるか、もしくは上記いずれかの要件に当てはまる方を従業員として雇い、
その方を主任電気工事士として専任しなければなりません。
「自分ひとりで開業したい」という場合は、
登録電気工事業者またはみなし登録電気工事業者のもとで3年間経験を積み、実務経験証明書を届け出ることで、
登録手続きを進めることができます。
登録の有効期限は5年とし、その有効期間の満了後引き続き電気工事業を営もうとする方は更新登録を受けなければなりません。
営業所ごとに電気工事に必要となる器具類の備付
① 一般用電気工作物(電工二種)
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 回路計
※第二種電気工事士(一般用電気工作物)で登録する場合は、必要器具が少なく、金額もしれています。
② 自家用電気工作物(電工一種)
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 回路計
- 高圧検電器
- 低圧検電器
- 継電器試験装置(※1)
- 絶縁耐力試験装置(※2)
※第一種電気工事士(自家用電気工作物)で登録する場合は、必要器具が多く、金額もかかります。
継電器試験装置(※1)及び絶縁耐力試験装置(※2)については、借用可
その場合は、電気工事業者カードの該当欄に借用先を記入してください。
2-2. 電気工事業の区分
電気工事業の区分は4つ
- 登録電気工事業者
一般用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得していない - みなし登録電気工事業者
一般用電気工作物および自家用電気工作物にかかわる電気工事を施工する事業者
※建設業許可を取得している - 通知電気工事業者
自家用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得していない - みなし通知電気工事業者
自家用電気工作物にかかわる電気工事のみを施工する事業者
※建設業許可を取得している
大きな事業(1件の請負金額が500万以上の工事)をしないのであれば、建設業許可もいりません。
よって、多くの方が「登録電気工事業者」の取得となります。
2-3. 電気工事 実務経験の証明
でも、未経験だし、前職は電気屋でもないので、どうやって実務経験を証明してもらえるの?
そう、実はそこが実際に、電気工事業の登録をするのが難しいところなんです。
会社員として、電気工事登録している会社で3年以上(免許取得後)働いていれば、そこの会社の代表者から実務経験証明書を書いてもらえればOKです。
しかし、まったく違う、職業から独立したくて電気工事士の免許を取得した人は、実務経験を証明してくれる人がいません。
ではまた、電気屋さんに会社員として転職して実務経験を証明してもらわなければいけないのでしょうか?
それも正解ですが、
せっかく「独立して稼いでいきたい」とやる気に満ち溢れているのに、また会社員に戻って下済みを経て・・・なんて
絶対に嫌ですよね。
オススメなのが、独立して稼ぎながら、実務経験を証明してもらえる働き方です!
僕も、未経験からこの業界に参入しているので、この「実務経験」が一番の悩みでした。
未経験から、電気工事業の登録をするには、電気工事登録している会社や業者のいずれか、2者から実務経験の証明をもらわないといけません!
この「2者」からが、厄介なんですね。
じゃあどうやって経験を積んでいくのかというと
まず、第二種電気工事士の免許を取得して、家電量販店などの下請け協力業者として、元請けの下(二次請け)で工事を請け負います。
こうすることで、元請け(一次請けの会社)は電気工事業の登録業者ですので、3年以上はお世話になります。
3年以上経てば、元請けから、実務経験証明書を取得できます。
これで、1者目の元請けさんからの証明取得
そして、閑散期などに、電気工事屋さんの応援などに行き、ある程度、電気工事の経験を積みます。
ここマジ重要!!
電気工事登録していない、もぐりの電気屋さんもいるので・・・しっかり調べてください!
ここからが、ポイント!
実は、この電気屋さんに応援などに行っている期間が、3年以上いらないんです。
え!?じゃあ、3年間も電気屋さんの応援とかにいかなくてもいいの?
そうなんです、電気工事の免許を取得してから、3年以上電気工事をやってきた事実がわかればOKなんです。
簡単な例でお話しします。
上記の例で、電気工事士の免許を取得し、家電量販店の二次請け業者となり、3年以上は経験する。
そして、閑散期などに、電気屋さんの応援に半年~1年行く。
これで、2者目の電気屋さんからの証明が取得できるんです!
なんで、半年~1年しか経験してないのに、証明できるの?
電気工事士の免許を取得してから「3年以上電気工事をやっています」という事実を証明できればいいからです。
つまり、応援先の電気屋さんの代表者が、あなたは3年以上前から電気工事をやっていますねと知っていればOKということです。
ただし、応援先の電気屋さんが証明書を書いてくれないケースもあるのですが・・・
そこは、みなさんの人間力次第になります(笑)
どれだけ、電気屋さんとうまくコミュニケーションをとって良好な関係が築けるかによって違ってくるからです。
とは言っても、半年~1年そこらでは、電気工事の知識・技術は身に付きません!
電気工事は奥が深く、たくさん覚えることもあるので1年やっても、まだまだです。
実務経験としての証明はクリアできるので、その後も電気屋さんとは良い関係で付き合っていき、技術を高めた方がメリットが多いです。
注意
※お住まいの都道府県によっては、実務経験に対する申請基準が厳しいところもあるようです。
ますます登録業の取得が厳しくなってきています。
不安なら行政書士に相談しましょう!
よく、質問に多いのがエアコン工事で独立するのに電気工事登録業が必要なのか?です。
結論を言ってしまえば、必要になってきます!
経済産業省でもよくある質問なのでリンク貼っておきます。
ポイント
電気工事登録業の詳細については、【独立】エアコン工事 電気工事登録業を参考にしてね!
2-4. 登録電気工事業者登録 手数料
申請内容 | 報酬(相場) | 申請手数料 | 合計 |
---|---|---|---|
新規申請 | ~50,000円 | 22,000円 | 70,000~80,000円? |
更新申請 | ~25,000円 | 12,000円 | 40,000~50,000円? |
報酬額に違いがあるので、だいたいの料金しか出せませんが、申請手数料は定額
報酬費用を抑えたいなら、自分で申請しするしかありません。
※電気工事業の登録は、さほど難しくないのでご自身でも十分可能です。
事務所によっては、手続きを全部丸投げするのではなく、一部やれるところは自身でやる「サポートプラン」というのもあったりするので多少費用を抑えることも可能です。
3. 産業廃棄物収集運搬業の許可
古いエアコン(廃エアコン)等を廃棄物として運搬するためには「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
一般家庭からでた廃棄物だから、「産業廃棄物」じゃなくて「一般廃棄物」なんじゃないの?
と思われがちですが、家電リサイクル法第50条で
「一般廃棄物と産業廃棄物の収集運搬業者の相互乗り入れ」という特例措置が設けられているため、
産業廃棄物収集運搬業許可を受けることで、家電量販店の委託を受けて
家庭から発生した、廃家電を収集運搬することができます。
参考
産業廃棄物収集運搬業許可の詳細については、
日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の公式ホームページを参考にしてください。
3-1. 産業廃棄物収集運搬業許可の取り方
産業廃棄物収集運搬業の許可も人やお金、設備等の要件があります。
申請者(人、お金)の能力に係る基準について
- 事業を的確に行うに足りる知識、技術を有していること
- 事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有すること
とされています。
1.の「知識、技術」については
「日本産業廃棄物処理振興センターの講習会で収集・運搬課程(新規)を受講し、修了書の交付を受けた者」を
事業を的確に行うに足りる知識、技術を有する者とみなしていますので
講習を受けて、修了書を取得すればOKです。
2.の「経理的基礎」については
簡単に言うと、ちゃんと事業として成り立っていますか?ということです。
債務超過の状態(赤字等)にある場合など、継続的な営業ができない恐れがあると思われてしまいます。
しっかりと税金を納めていて、ある程度の売り上げがあるのかがポイントですね。
ポイント
※設立3期経っていない方、または直近3期分の決算内容が経理的基礎を満たしていない方は、
中小企業診断士または公認会計士の経営診断書約90,000~110,000円が別途必要になることもあります。
だから、独立して急いで取得すると費用がかかるよ!
焦って取得しなくてもOK!
産業廃棄物収集運搬業許可の取得までの流れ
それでは、実際の流れを解説していくよ!!
とにかくまずは、講習会に参加するところからスタートです!
- 収集運搬課程の講習会を受講→終了試験
- 試験合格→修了書をもらう
- 申請・審査
←ここが時間かかる… - 取得(5年間有効)
- 更新
ざっくり、こんな流れです!
① 講習会の受講
産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可を新たに受けようとする方なら誰でも受講可能です。
収集運搬業の講習は 2日間で30,500円です。(ネット申し込み)
ネット申し込みの方が、500円安いよ! しれてるっ!
② 修了書を取得
受講して、終了試験があるので、試験に合格すれば、修了書が取得できます。
※修了書は期限が無いのでとりあえず取得しておいて損はないです。
③ 申請・審査
産廃収集運搬業を営むための許可申請先は、個人法人を問わず都道府県知事です。
審査は、2ヶ月くらいと規定されていることが多いですが、都道府県によって違いがあります。
※結構遅いですよ。
2箇所以上申請した場合などは、許可日が異なり一斉に事業が開始できるわけではありませんので注意が必要です。
ポイント
※積み込み先と荷下ろし先が都道府県をまたがる場合には、それぞれの知事に産業廃棄物収集運搬業申請をしなければいけません。
※積み込み先と荷下ろし先の間に、他の都道府県を通過する場合は、通過する都道府県の申請は必要ありません。
④ 取得
産業廃棄物収集運搬業の許可は、5年間有効です。
⑤ 更新
引き続き事業を営みたい場合は、許可期限満了日の2~3ヶ月前までに、更新許可申請をしなければなりません。
産業廃棄物収集運搬業許可取得までには、様々な要件を確認して営業開始となります。
時間や費用もかかりますので、事前に事業計画の中に許可に関しての手続きも組み入れ、早めの準備を心がけましょう。
正直、仕事をしながら、各種、書類の作成、法務局へ・・・などなど結構めんどくさいです。
必要な書類作成に失敗したら、また手続きに出向いたりと、二度手間になることもあるので
やってやれない事もないですが、ご自身は事業で稼いで申請手続きは、専門の行政書士に任せた方が効率的です。
僕は、すべて行政書士さんに丸投げしました! 今後もお世話になりますしね!!
3-2. 産業廃棄物収集運搬業許可・登録 手数料
申請内容 | 報酬額(相場)税別 | 申請手数料 | 合計金額 |
---|---|---|---|
新規申請 | 60,000~100,000円 | 81,000円 | ? |
一県追加 | 120,000~170,000円 | 81,000円 | ? |
更新申請 | 60,000~90,000円 | 73,000円 | ? |
報酬額に違いがあるので、だいたいの料金しか出せませんが、申請手数料は定額
申請手数料は県ごとに必要です。
任せるなら、同時に必要な県の申請もお願いした方がお値打ちです。
報酬費用を抑えたいなら、自分で申請しするしかありません。
事務所によっては、手続きを全部丸投げするのではなく、一部やれるところは自身でやる「サポートプラン」というのもあったりするので
多少費用を抑えることも可能です。
※設立3期経っていない方、または直近3期分の決算内容が経理的基礎を満たしていない方は、
中小企業診断士または公認会計士の経営診断書約90,000~110,000円が別途必要になることもあるので、
基本的に取得には、お金がかかると思っていいでしょう。
4. RRC登録冷媒回収技術者
冷媒回収技術者ってなに?
どんな資格なの?
冷媒回収技術者とはフロン回収の専門資格です!
冷媒回収技術者
- フロン排出抑制法の回収について「十分な知見を有する者」として認められます。
- 一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構 冷媒回収促進・技術センター(RRC)が認定する、民間資格
- 資格有効期限は3年間、3年ごとに更新手続きが必要です。(更新料かかります)
- 資格は更新しないと失効します。
- RRC登録冷媒回収技術者の場合、資格の有効期限を過ぎてから1年以内であれば更新できます。
※有効期限を過ぎてからの更新は、更新料が高くなります
※資格有効期限から1年を過ぎると、原則更新はできません。
ルームエアコンの廃棄時には、ポンプダウンが可能なら、ガス回収の資格は必要ありません。
※但し、故障など、何らかの理由でポンプダウンができない場合には、回収器にて機器内のガス回収作業が必要となる為、この場合には(厳密には)資格が必要です。
回収器にて回収作業をするのか、しないのかで、資格が必要なのか決まります。
業務用のエアコン等も取り扱うようになると、「第一種・二種 冷媒フロン類取扱技術者」といった上位資格も必要になってきます。
参考
詳しくは、
一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構(JRECO)のホームページをご覧ください。
安物買いの銭失いにならないように…
エアコン屋に必要な腰道具はコチラを参考にしてね!
まとめ
重要な資格
- 第二種電気工事士
まずは、第二種電気工事士の取得が最重要です!
無資格では、協力業者として契約ができません。
年2回、受験可能ですが、勉強は早めに取り組みましょう!
取得してからが本当のスタートです!
独学でやるもいいですが、お金を払った方が追い込めて、やる気出ます!
特に、実技はなめると落ちます…
エアコン工事で効率よく独立したい方は、「エアコン工事 独立の仕方」をみてね!